今もなお昭和の懐かしき感覚や家族のあり方とは何なのか?と投げかける作品を 発表し続ける映画監督 佐々部 清の魅力を2014年公開「六月燈の三姉妹」、そして2015年7月11日(土)より全国順次ロードショーされる待望の新作「群青色の、とおり道」2作を通し監督の思いをお届けしたいと思う。

 

「六月燈の三姉妹」佐々部 清 監督 俳優 西田 聖志郎 対談インタビュー

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この物語の舞台は、鹿児島で大型ショッピングセンターの進出により客足減少で赤字に苦しむ和菓子店を営む一家が、再建すべく奮起する姿を描いた作品となっている。
しかし一筋縄ではいかないこの家族は、父母は既に離婚、おまけに長女は出戻り、三女は不倫中、次女は離婚調停中である。この五人に加え東京から次女を追って来た夫が加わりハチャメチャ家族が奮闘するハートフルコメディー。3姉妹には、次女に吹石一恵、長女に今話題の吉田羊、三女に徳永えり、そして妻を追って帰郷した夫役に津田寛治を迎え贅沢なキャスティングとなっている。
現代社会の問題を織り込みながら互いに協力し合う家族の姿や、その家族を支えるまわりの人々の温かさがコミカルに描かれていた。決して他人事とは言い切れないストーリーが余計に物語へ引き込まれて行く。

 

 

「六月燈の三姉妹」

佐々部 清 監督 俳優 西田聖志郎 対談インタビュー

六月燈の三姉妹 先方記事内画像1 

NOSVIS お二人がタッグを組む事になったきっかけを教えてください。

 

西田さん 実は紆余曲折ありまして3年半前から製作の準備に入っていたのですが、資金面での調達がうまくいかず、当初組んでいたプロデューサーとの意見の相違などもあり、監督はじめ座組をバラし一から再スタートすることになりました。

当初は、監督のデビュー作品でご一緒させて頂いた佐々部監督を思い描いていたのですが、デビュー作『陽はまた昇る』から10年も時間がたち数々の名作を世に出され巨匠になられていたので、このような低予算の作品は、引き受けてもらえないと思っていました。ですからお声をかけられずにいたのですが、どうせ仕切り直しするのだから思い切ってお願いしてみようと思い、まず始めに佐々部監督に声をかけさせてもらいました。

また、たまたまミーティングした前々日に、新しくプロデューサーとして入ってくれた方が、そう言えば一昨日佐々部監督と偶然赤坂であったよと話がありその偶然も背中を押してくれ当たって砕けろと話しをする事になりました。

 

 

佐々部監督 少し補足するとそのプロデューサーの方と10年ぶりぐらいにお会いした際、低予算の映画だけどやってみますかと声をかけられたのですよ。

その時「低予算のテレビドラマ作品もやっていますよ。」と冗談まじりで返して別れたのですよ。

 

西田さん その翌々日のミーティングで佐々部監督に電話しました。

元々この作品は舞台作品で、ちょうどNHKでも 劇場中継された映像DVDと演劇での台本を持って渋谷で監督にお渡しでき、台本を読んでもらえる事になりました。

それから一週間もたたないうちに監督からご連絡頂き「非常に面白いけど映画にするには色々とハードルが高いかもしれない、けれど良かった」と引き受けて頂ける事となり、そこからあれだけ大変だった資金集めも徐々に集まり始め大きな山が動いたと感じていました。

キャスティングでも是非監督とご一緒したいということで、最高のキャストが集まりました。

佐々部監督に引き受けて頂いてから、いろいろな事が好転していきました。

 

「六月燈の三姉妹」記事内画像佐々部監督3

NOSVIS 仕切り直しでのスタートにやりづらさは感じませんでしたか?

 

佐々部監督 別に関係なかったですね。本が面白ければやろうと思っていました。前に一度別の映画の話しで西田さんから、こんな本があるのだけどやらない?と本を預かった事がありましたが、その時はすぐにやれる本じゃないと返したこともありましたから、要するに本さえ良ければやりたいと思うし、『六月燈の三姉妹』も本が面白くなかったら断ろうと思っていました。

とにかく映画は脚本です。

 

NOSVIS それだけ脚本は、大きなものなのですね。

 

佐々部監督 本当に映画の場合は脚本が7割、役者が2割、監督が1割と言うように、本が面白ければ何か突破口が見つかりやすいですね。

ただこの作品は舞台の本だったから映画にするために少し僕が手を入れさせて欲しいという条件はお願いしました。

 

NOSVIS 脚本を読まれた際、どんな感覚を抱きましたか?

 

佐々部監督 僕の作品の10本目は『日輪の遺産』で、それまでは善人ばかりで、家族であったり、西田さんとも作り上げた『陽はまた昇る』のような上司と部下、友情などの話しをいっぱいやって、11本目の『ツレがうつになりまして。』とその次の『東京難民』というのは、少し尖った事をやりたいなと2本やってみて、もう一度家族みたいなほわっとしたほっこりする今まで作り続けたような映画を作りたいという気持ちがありました。

『六月燈の三姉妹』はまさにそれで、切り口は離婚ですが家族っていいなとか、結婚するってこんなに素敵な事なのだと感じさせるその切り口が逆に離婚であった事なども面白かった。

自分が10年やってきた事をもう一度やりたいと渇望していた時のこの話しだったので、タイミングもすごく良かったと思いますね。

 

六月燈の三姉妹 先方記事内画像4

 

NOSVIS 姉妹もそうですしその家族も、町の人も観客が置き換えて見ることのできる映画でしたね。

 

西田さん そうですね。確かに大きな事件が起きるわけでもなく、ごくごく日常と言ってしまえばそうなのかもしれないですが、この家族は皆、離婚経験者か離婚に直面しているか、または婚約破棄を経験しています。このような設定にした意図は、家族を描くうえで「離婚」という切り口から入っていくと、逆に結婚のあり方、家族のあり方が、より明確に見えてくるのではないかと思ったからです。

結果的にそれが功を奏し、結婚という枠にとらわれない新たな家族の姿を打ち出すことが出来ました。

鹿児島でも先行試写会に抽選で当たった50代ぐらいの男性の方が、「公開されたら娘を連れて見に来ます。」と言われ、その方は言われた通り公開初日に見に来て下さったり、また「親父にチケットプレゼントしようかな。」とか、「照れくさいけど女房をつれて見に来ようかな。」と試写会に来て下さった方々が言ってくださり、嬉しかったですね。

 

佐々部監督 吉田羊ちゃんもブログで、「不器用な人達が、不器用な一歩を踏み出す物語」と書いてくれましたがまさにその通りで、僕の映画はいつも金持ちを主役に描くものよりも、中間層よりちょっと下の人が、がんばるその姿が映画の主役になっていく。それが僕の作品だと思っています。

この作品は、まさにそれでした。

 

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