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高橋恭司展『果色(けしき)』 

 

——作品を見るとどこか懐かしさを感じさせられるのですが、今回の撮影は過去の記憶に近づけるためのものですか?

 

憧憬みたいなものはあるのかもしれないです。それが全てではないのですが、撮ったり、見たりしていて、あるきっかけで普段思い出していないようなことまで思い出すようなことになっていることもあります。

ただ、「忘れる」ということを考えると、とても面白いなって思ているんです。忘れている内容って分からないんですよね。でも何かのきっかけで思い出す。忘れるって面白いなって思っていて。表現の中にそういうものが出ているのかもしれないですね。

 

 

——髙橋さんの写真を見ていると、瞬間を切り取っているはずなのに、例えばコーヒーの写真だとしても、コーヒーではなくて、コーヒーを飲んだ髙橋さんの姿を映しとっているというような、瞬間の前を捉えているようなイメージを受けます。

 

どういう風に読み込むかは、見た人次第だと思うのですが、かつてみたものと、今見たものを重ねている可能性があるんですよね。イメージって多重になっている可能性があって、そこに、惹き付けられるのではないかと、僕自身も作品を見て感じます。

 

——パイナップルの作品も、今見たものなのか、もしくは幼い頃に見たパイナップルの映像なのか、どちらなのかな、という感じがしました。その懐かしい感じも、余韻や、思い出という時代のシンクロに新鮮さを感じますね。

 

そうかもしれないですね。モダンなデザインなんだけど、新しさとモダンって一緒になるんだよね。温故知新ですよね。

何故そういう風に思うのか、人間って不思議ですよね。その効果を狙っているわけではないんですけどね。

 

 

——作品を常に作らなければいけない場合と、自然と湧いてできていく場合とあると思うのですが、作品をつくれない時期ってありますか?

 

ここのところ運が良くて、スムーズにいっていますね。あまり無理しないようにしています。でも、撮るというのはエネルギーがいると思います。

撮りたいものと出逢うまで撮ることを待っているんですが、あまり苦に思うわけではなく、でも、あがってきたものを見て、やったなって思うことはありますね。

今回の展示会用の作品を見たら、偶然切断面が多かったんですよね。ある意味では和風かもしれないなって、構成してから思ったんです。

 

 

——ツツジの写真もフラットですよね。

 

そう、ツツジの植え込みのカットの仕方が笑ってしまうくらいカッチリしていて、あれは以前から撮りたいなって思っていたんです。今回は横に長く撮ってみました。

 

 

——カメラを撮りはじめてどのくらいですか?

 

20歳過ぎてから写真を撮りはじめたので、30年くらいやっていますね。こんなに長くできて運がいいなって思いますね。ただ、長くやっているだけでは自慢にもならないんですけどね。

 

 

 

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