数々の国際映画祭で高い評価を受け続け、世界中に熱狂的な“キヨシスト”を持つカリスマ、黒沢清監督がオールフランスロケ、外国人キャスト、全編フランス語のオリジナルストーリーで挑んだ初めての海外進出作品『ダゲレオタイプの女』!!

世界最古の写真撮影技法“ダゲレオタイプ”が若い二人を引き寄せ愛と悲劇を呼んだ!

 

主人公を演じるのはジャック・オディアール監督作品『預言者』でセザール賞の主演男優賞と有望若手男優賞をダブル受賞したほか数々の映画賞を受賞、アスガー・ファルハディ、ファティ・アキンなど名匠とのタッグが続く実力派俳優、タハール・ラヒム。

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映画『ダゲレオタイプの女』黒沢清監督×タハール・ラヒム インタビュー

 

NOSVIS 監督がダゲレオタイプを題材にされたきっかけを教えて下さい。

 

黒沢監督 実は20年程前に東京都写真美術館で、一枚のダゲレオタイプで撮られた少女の写真を見た事がきっかけでした。その少女の表情が何とも言えず長い事心に残っており、展示されていたキャプションには、10分間器具に固定された状態で撮影が行なわれたと書かれており、当時使用されていた固定器具も展示されていました。

あの少女の何とも言えない表情は、独特な状態から生まれた世界なのだと感じ、とても印象に残っていました

そして、この時代錯誤の写真撮影は、実は僕たちが現在映画を作っている状況とさして変わりがないとも思えるのです

今動画を作ろうと思えば誰でも携帯で簡単に撮れますし、YouTubeなどにUP出来る時代となりましたが、僕たちがやっている仕事はワンカット撮るのに一時間も二時間もかけ、照明をあて、人物の位置を固定するまではしませんが、立ち位置を厳密に決めたりしながら、何度もリハーサルをして、数十秒という時間に特別な想いを込め、そのカットには特別な何かが宿っているに違いないという幻想をもとにして成り立っています。そんな信じられない時代遅れの技術が映画という表現なのです。これはまさに、現代に生き残っているダゲレオタイプなのではないでしょうか。

 

映画『ダゲレオタイプの女』記事内画像1

 

NOSVIS タハール・ラヒムさんは、黒沢監督と初めての作品作りとなりましたが、以前より監督の事は、ご存知でしたか?

 

タハール もちろんフランスの映画好きなら黒沢監督のことは知っています。私も監督の作品と初めて出会ったのは、大学の映画の授業でした。監督の映画に込めたテーマや撮影方法、そして一風変わった作品にとても惹かれていたので、今回監督とご一緒出来るだけでなく主演として参加させて頂けた事にとても感激しています。 

 

NOSVIS 映画の1シーンに写真撮影のための薬剤調合等に使われたフラスコを洗うシーンもありましたが、その洗い方がとても見事で、未経験者が洗っていたように全く感じませんでしたが、やはり事前に専門家よりレクチャーを受けたのですか?

 

タハール 全く経験はありませんでした。(笑)でもそう言って頂けてとても嬉しいです。一度パリ在住のダゲレオタイプで撮影されている方のもとへ、お話を伺いましたが、その他は黒沢監督の演出でした。

ですから演技が説得力のあるリアルなものだと言って頂ける事は、とても嬉しいです。

 

黒沢監督 そんな細かい指摘されたのは、初めてですね。(笑)

ただダゲレオタイプの撮影方法に関してはスタッフも俳優も大いに勉強しましたが、フラスコの洗い方に関しては、何の演出もしていませんし、主人公のジャン自身が写真に関して全くの素人とだと設定していましたので、細かい指示は何もしていません。タハールの自然な演技がはまったのですね。

おもしろいです!(笑)

 

NOSVIS 今作の中で、大型のカメラや被写体を固定する器具まで細かく作られておりましたが、今回の撮影のために制作された物ですか?

 

黒沢監督 もちろんです。カメラは実際に撮影できる物ではありませんが、ダゲレオタイプについて色々と調べる中で、当時このカメラよりさらに大きなダゲレオタイプ用カメラが作られ、絵画の様な大きな写真を制作する試みが何度かあったようです。いずれも失敗したみたいですが。

 

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