三宅一生氏「造ろうデザインミュージアム」から10年

21世紀のデザインミュージアムに求められる役割とは?

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——新たに生み出す作業の他に、今までの時代から拾う作業はありますか?

 

宮沢:捨てた物をそのまま拾うことはないです。前と同じようなものでも、拾った時点で、違う価値観になっていて、新しいものなんですよ。いろんなものを引き出しにいれておいて、とっかえ、ひっかえ、使うというのではなくて、常にクリエイティブなんです。でも、今日「新しい」と思って見たものも、実は50年前にルーツがあったという話になることもよくあるんですよね。

 

 

——表現できる素材がすごく増えている今、素材の多様性を活かすべきなのか、それとも風土に合った素材を新たに見直すべきなのか、どちらだと思いますか? 

 

勝井:今存在しているもの全てが素材です。それを今どのように使えるか、という問題だけで、結局は、古い物も、新しく開発されたものも同格なんですよね。

 

宮沢:でも、適切な表現というのは必要でしょうね。

 

洪:拾う、捨てる、どちらにすべきという考えはないと思います。過去のものでも、そのまま使うアンティークのようなものもあれば、リノベーションするもの、つまり、新しいセンスが加わって、新しい価値が生まれるものもあります。どういう感性が社会に対して面白いことを提供できるのか、という判断でクリエイターは決めていると思うので、パターンも無限だと思います。そこで価値のあるもの、良いものが与えられればいいんです。

 

浅香:いま何が必要なのか、そのような感性を磨き、それを仕事にしているのがデザイナーだと思うんですよ。もちろん新たな素材も日々社会に提供されてきていますが、多様な素材をどのように捌くかが問題なんだと思います。松岡正剛さんが主張している編集という概念はデザインそのもので、その妥当性を判断するのが社会と言う器なんでしょうね。

 

 

——ユーザーに対して、あまりに丁寧にしすぎた結果、人の五感を活かすデザインではなくなってしまっていたようにも感じるのですが。

 

宮沢:わかりやすい、というのと、丁寧すぎるというのとは違うんですよね。いろんな機能が自動化してきて、今までは1押したら1しか分からなかったものが、1押したら5も分かるようになった、というのは、ある意味丁寧すぎるかもしれないですね。でも、人間の本性で、やっぱり楽な方が良くて、マーケティングをすると、簡単にできる方を望んでいるという結果になるんですよね。

とはいっても、売れるからいいというわけではなくて、人間のためを考えたときにどうなのか起業家は問題点も考えなきゃいけないんですよね。

 

 

——あえて使い勝手の悪さを生むことで、人の五感を高めるデザインというのは存在し得ますか?

 

勝井:それはやっているのかもしれないですね。でも五感を使うこと自体、総合力が退化していますからね。

 

 

 

 

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