『ディス/コネクト』

 ヘンリー=アレックス・ルビン監督インタビュー 

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ヘンリー=アレックス・ルビン監督 インタビュー 

 

——この脚本と出会ったとき、どのように感じましたか?

 

人はみんな、どんなに成功をしていても、友達や家族がいても、どこかで「孤独」を感じていると思うんだ。少なくとも人生の中では、誰もが経験する感覚だと思うんだけど、この映画の脚本を読んだとき、人とのコミュニケーションをしている全ての登場人物に踏み込んで描きたい、と思ったんだよね。繋がりたいという気持ちは肉体を超えて、どの人にもある欲求で、みんなが必要としていることだと思うしね。

 

 

——今の日本も映画の中の主人公たちと全く同じ状況だと思うのですが、SNSやインターネットのように、同じ空間にいないことだけが、コミュニケーションが上手くとれない、という問題を導きだしているのではなくて、同じ空間にいても、同様の問題が起きていますよね。

 

同感です。でも、この映画はSNSが原因だ、という様に描いていると誤解を受けやすいんですが、僕もSNSが原因だと言っているわけでは全くないんです。3つの物語が描かれていて、それぞれのキャラクターがとても人間的な選択をし、その結果、ドラマチックな結末に至るということを描きたいのであって、テクノロジーの責任だ、というような想いではないんですよね。

きっと、人間だからなんだよね。さっきも言ったように、人はやっぱり重みは違っても、みんな孤独を抱えていると思うんです。誰かと繋がりたい、コミュニケーションをしたい、という思いは、どこかで弱さにもなってしまって、その弱さが、今回の物語の結末に導いてしまったんだと思うんです。

そんな彼らの気持ちを媒介しているのが、テクノロジーなのであって、テクノロジーが問題なのとも、違うんですよね。

 

 

——そうですね。みんながみんな相手のことを考えていないわけではなく、「つもり」になってしまっているような気もします。携帯電話やSNSは今後も無くなることがないと思いますが、愛する者を守るためにしなくてはならないことは、どのようなことだと思いますか?

 

それは、僕の専門を超えた質問だね!ドキュメンタリー作家として、人間としていかに交わることを必要としているか、ということに興味はあるけれど、僕はストーリーテラーなので、精神科医や文化人類学者に聞いてもらった方がいいかもね。

ハフィントンポストにも出ていたけど、アドリナ・ハフィントンさんはこの映画を観たときに、「寝室には携帯電話を持ち込まないで、人間的なやりとりを持てるようにすべきだ、そう言った意味で、ディスコネクトをするべきだ。」と言っていたんです。つまり、この作品をアンチテクノロジーだと捉えて、この映画をきっかけに、より人間的に肌と肌の関係性を大切にするべきだ、と感じたということだよね。でも、それはさっきも言ったように、僕の意図ではなかったんだけど、いろんな解釈をしてくれることは良いことだと思うんだ。

質問の意図とは変わってしまうけど、僕はこの作品を、リアルでエモーショナルでありながらも、スリリングな映画にしたいと思ったんだ。エモーショナルでありながら、スリリングな映画って観たことある?僕は観たことがないから、それこそが、映画作家としての僕のゴールだと思っているんだよね。

だから、この映画を観てスリリングだな、と思って、心が動かされたとしたら、嬉しいな。

 

 

——監督ご自身は、映画の中の人たちのような体験をしたことがありますか?

 

僕には起きていないよ。でも、唯一感情が分かるのは、いじめられっこのベンなんだ。僕も小さな頃、いじめに近い体験をしたことがあるし、僕でなくても、多くの人たちが彼に近い感覚を持っていると思うんだよね。ほとんどセリフのないベンの孤独感というか、「ひとりぼっち感」は上手く描けたな、と自負をしています。

 


——監督にとって、「孤独」とはどのような意味を持つ言葉ですか?

 

「孤独」は人間の本質的な一部だと思うし、良いことなのかな?と僕は思うよ。火を起こして、共同体を選んだ我々の祖先と同じように、孤独を感じるからこそ、人と居たいと思い、人類を反映させてきたとも言えるわけだしね。個人的には、人と繋がりたい、コミュニケーションをしたい、と思ったときに、SNSだけでは勘違いをしてしまうというのも、我々の抱える「孤独」が原因かもしれないとも思うよ。ただ、ずっと会っていない人たちとも繋がれるし、SNSにはもちろん良い面もあるよね!

 

 

——マーク・ジェイコブスをはじめ、映画に参加した俳優達は鑑賞後どのような反応でしたか? 

 

ジェイコブスは、自分があまりにコワモテになっていた事にすごく驚いていたよ。普段は愛らしくスイートで、声を荒げたりもしない穏やかなタイプだから。

タトゥーはいっぱいあるんだけど、よく見るとそれがスポンジボブや、M&Mで全然脅威を感じないんだ。そんな彼だからこそスクリーンで描かれていた姿が「すごい怖そうな奴に見えるね」って、友人達そして彼自身もとても驚いていたよ。

 

あと一番感動したのはトロント映画祭の時だったかな。そこでジェイソン・ベイトマンが初めて映画を観たんだけど、涙を流して僕をぎゅっと抱きしめてくれたんだ。

観客のみなさんはもちろんだけど、自分の作品に参加してくれた仲間が映画を観てそこまでの反応をしてくれるっていうのは映画作家としての夢だ。演技はもちろんだけど、それがジェイソンからもらった一番の贈り物だった。自分のやるべき事を果たせたのかな、と思えたよ。

 

 

——最後にメッセージをお願いします。

 

是非、この映画を観て、スリリングでエモーショナルな体験をして欲しいと思います。

 

   

 

『ディス/コネクト』 5月24日(土)より 新宿バルト9 他にて公開

 年齢区分:PG12指定 配給:クロックワークス

公式サイト:http://dis-connect.jp

 

 

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