日本産業発展と共に走り続けた伝説のデザイナー栄久庵憲司インタビュー 『小さな一片までデザイナーでありたい』

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「人にデザインの意義を知らせる」ということ  

 

これだけは残しておきたいということをひとつ言います。それは「人にデザインの意義を知らせる」ということです。JIDAのような団体がデザインの意義を人々へ知らせないと仕事にならないことは確かです。
デザインの意義を知らずに、流行語のように捉えてご依頼される人もいるかもしれませんが、「デザインの心を伝えたい」という気持ちを持ってご依頼される企業や個人の方たちへ対して、お相手をされる場合は、職業の品位を表すものだと思います。

 

デザインはなんとしても品位を高めていかなくてはいけません。しかし、今日を考えますと、品位は下がりつつあり、下品にまでなっています。

 

日本だけでなく、世界へデザインの意義をどう伝えるかということは非常に難しいことです。しかし、世界にまで持ち込み、世界の人たちにも理解してほしいという気持ちで、私たちは1970年代から動いていました。

「人間とは何だろう」ということについては大昔のプラトンの時代から考えられ、「人間とは考える葦である」というところに行き着いています。しかし、デザインに対し、共通の意義を抱いているか、というと、誰もが考えているわけではないように感じます。

実際に集まって話をしても、様々なデザインの定義がうまれ、1つに絞ることができていません。「デザインというのはどういう意味ですか?」と問われたとき、定義がないと伝わらず、論議すら進みません。

JIDA創立60周年を迎えた今、JIDAがリーダーシップをとり、デザインの経緯を考えることをしなくては、デザイン団体の意味がないと思います。積み重ねることができず、我々のしたことが無駄になってしまうのです。
表面的なことではなく、言葉や文字ではなく、具体的な形を示し、使用し、どのようなものかを理解する。そしてデザイン8団体(※1)をしっかりとまとめて、デザインの定義を必死になって求められなければいけません。

言葉を発することに辱めを感じない方がいいと思います。感じたことを直接言う。そのことが大切です。哲学の歴史を参考にし、人と向き合っていかなければ、仕事は来ません。
専門団体だからこそ、知恵が欲しい、と言われるような、芯のある契約ができなくてはいけないのです。基準がどこにあるかわからない、というようになってしまったら、それでは下の下です。

まずは、始めること、そして、日本として世界へ向けて発信をすることが大切です。認めてもらえるようにする運動をしなくてはいけません。JIDAをはじめ、8団体、海外も交えて進めていかなくてはいけないのです。近くの韓国や中国と、今もめている部分もありますが、デザインを語り合う、意味を知るということで親しくなるのではないかと思います。

  

 

 

デザインには世界を繋げる力があります。耳が痛い話が、宝物だと思うのです。希望があるのです。

結束し、証や方向性を出すことが、JIDAとしての定めだと思います。
そして、人として、相手の品位を高めてあげられる存在になりたいと思っております。

 

 

 

※ 1 日本空間デザイン協会・日本クラフトデザイン協会・日本インダストリアルデザイナー協会・日本パッケージデザイン協会・日本グラフィックデザイナー協会・日本インテリアデザイナー協会・日本ジュエリーデザイナー協会・日本サインデザイン協会

 

 

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