82歳の女性が国を訴えた!?
数奇な運命を辿った名画に秘められた真実の物語が、今明かされる
アカデミー賞®女優ヘレン・ミレン主演
深い喪失から立ち上がった女性が、国を相手に奇跡を起こす――希望溢れる感動の実話。
『黄金のアデーレ 名画の帰還』サイモン・カーティス監督インタビュー
20世紀が終わる頃、ある裁判のニュースが世界を仰天させた。アメリカに暮らす82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)が、オーストリア政府を訴えたのだ。
“オーストリアのモナリザ”と称えられ、国の美術館に飾られてきたクリムトの名画<黄金のアデーレ>を、「私に返してください」という驚きの要求だった。
伯母であるアデーレの肖像画は、第二次世界大戦中、ナチスに略奪されたもので、正当な持ち主である自分のもとに返して欲しいというのが、彼女の主張だった。弁護をするのは、駆け出し弁護士のランディ(ライアン・レイノルズ)。
対するオーストリア政府は、真っ向から反論。大切なものすべてを奪われ、祖国を捨てたマリアが、クリムトの名画よりも本当に取り戻したかったものとは──?
1人の女性と1人の弁護士が、悲しき過去の歴史を乗り越え 新たな道に進みだす感動と希望溢れる注目作!!
『黄金のアデーレ 名画の帰還』サイモン・カーティス監督インタビュー
NOSVIS 初来日との事ですが、日本でしてみたい事や行ってみたい場所はありますか?
もうフィッシュマーケットには行きましたが、今回が初来日になりますので、もっと色々な所を歩いて回りたいと思っています。
歩いてみると日本は本当に綺麗な街だなと思いました。
歩いている方達もとてもお洒落ですしね。
NOSVIS 東京映画祭では、ひときわヘレン・ミレンのドレス姿が目を引きましたが、ヘレンのドレス姿を見て如何でしたか?
とにかくとても素敵でしたね!この一言につきます。
NOSVIS 今作でヘレン・ミレンを抜擢した理由を教えてください。
彼女はどの役に関しても知性とユーモア、そして役に人間性を与えてくれます。
そしてこの作品の主人公マリアの抱えた怒りもリアルに表現してくれると思いました。
特にその心の動きが出ていた印象的な場面は、オーストリア政府関係者との協議の場で、怒りをあらわにする場面や今まで心に秘めてきた思いを爆発するかのようにあらわにする場面、ウィーンの地を数十年ぶりに訪れた際ドイツ語を頑にしゃべらない場面などが、私にとって印象的な場面でした。
NOSVIS 今作は監督にとっての長編第2作目となりますが、今作はどのような意味を持つ作品となりましたか?
一言で言うと名作です。(笑)
非常に誇りに思える作品となりました。
もう一度撮り直すことができるのならば、撮り直す所はあるかと聞かれたら、少しはあると思います。ですが私の感想はさておいても観客の皆さんの反応がとにかく良かったので、とても嬉しく思っています。
また私たちスタッフや関わってくれた仲間にとって、とても重要な作品であり、なによりこの題材自体を信じて作りました。
私達の信じたその気持に、観客の皆さんもついて来てくれたのだと思います。
最近の作品は語らない作品が多い中、この映画を好き嫌いは別として、何かを感じさせ、語ってくれる重要な作品だと思っています。
NOSVIS 作品の中で、マリアが過去を回想するシーンが幾つも存在しましたが、帰還に近づくにつれ映像の色彩表現に変化がありましたが、この表現に特別な思いはありましたか?
実は三つの時代設定がありました。
彼女の黄金時代とも言える子供時代は、絵画も手元にあり、愛すべき家族もそろう輝かしい時代ですので、その時代にふさわしい輝かしさ溢れる色彩を表現し、現代の場面では、出来るかぎり現実的なドキュタリータッチに近い表現をしました。
そして1938年の彼女にとって暗い過去の時代は、マリアの気持にそった色あせた色彩表現をしました。
NOSVIS 監督にとって色彩とはどのような意味を持ちますか?
私はあまり色彩表現が得意ではないのかもしれません。
ただし今回はマリアの気持と当時の時代背景を色として満足いく表現ができたと思っています。
NOSVIS 監督の作品は、女性の心情表現が細かに描かれていますが、監督に影響を与えた女性はいましたか?
女性はとても好きです(笑)
もちろん近い女性では、母がいて妻がいて娘もいます。
友人にもたくさんの女性がいます。
今まで映画やドラマ、舞台でもたくさんの女性を描いてきましたがやはり妻との結婚生活も長いので、そのような所でも影響があるかもしれません。
何せ女性といると居心地が良いですね。
かといって男性の表現をおろそかにしているわけではないですよ。
人の見方によっては今作のランディの方が主人公の様に感じる方もいるかと思いますし、ライアンの方を重視してみれば男性が主役の映画としても見る事ができると思いまが、とにかく私はストーリーに引かれたというのが率直な思いです。
たまたま強い印象的な女性がいますが、僕にとってはストーリーがメインです。
NOSVIS 映画を撮る前と撮ったあとでとクリムト作『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ』の見方に変化はありましたか?
どんなに精密な複製を見ていても実物を見た時の感動は忘れられませんでした。
また映画を見てニューヨークへ実物の作品を見に行く人がとても増えたと聞きました。
人を引き寄せるこの作品が、実はある家族の壁に掛けられていた愛すべき作品であった事、その愛すべき絵画をナチスによって略奪されていた歴史的事実、その全てのヒストリーに意義があり意味のあるものだと思います。
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