消えた記憶を集めながら、確かに刻む 次への一歩 

ディジュリドゥの奏者GOMA 再起不能と言われた事故から苦難を乗り越へて!!

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消えた記憶を集めながら、確かに刻む 次への一歩 

 

オーストラリアの先住民の楽器、ディジュリドゥの奏者として知られているGOMA。1998年にはアボリジニーの聖地でもあるアーネムランドにて開催されるディジュリドゥコンペティション「バルンガ」にてノンアボリジニーとして初受賞。ディジュリドゥの歴史を変えるできごととして、大きな話題を呼んだ。その後、世界各国で学び、2002年に帰国。体の芯に響き渡る独特な音色は、多くの人々を魅了し、たちまち、日本各地の音楽祭に引っ張りだことなった。

 

2009年9月から初の自主企画LIVEツアーを行い、順風満帆かのように見えた矢先、11月に首都高にて後続車が追突する交通事故に巻き込まれた。事故の影響で、過去の記憶と、記憶をするという機能を失ってしまったのだ。高次脳機能障害の症状が後遺しMTBI(軽度外傷性脳損傷)と診断され活動を休止を余儀なくされた。

ディジュリドゥが何かも分からなくなってしまった彼は、事故後まもなく突然緻密な点描画を描き始めた。2010年夏に行われた初の個展『記憶展』では、各種メディアや全国版の新聞にも取り上げられ社会的な関心を集めると共に連日大勢の人々が詰めかけた。その後も懸命にリハビリを続けた結果、再起不能と言われた事故から苦難を乗り越え、2011年6月に静岡で行われた野外フェスティバル「頂」にてシークレットゲスト出演をし、FUJIROCK FESTIVAL’11にて伝説のライブを行い、奇跡の復活を成し遂げた。

 

今だからこそ語る、当時の話。そして、もがき、苦しんだからこそ見えた、明日への光を、じっくりと伺ってきました。

 

「音楽があったから、絵があったから、こうして生きていける。」   

GOMA                 

 

 

——事故の後、ご自身が絵描きだと思われていたそうですね。

 

そうなんです。意識が戻って家に帰ってきて、すぐに絵を描きたいって言い出して、幼稚園に通っていた、娘の絵の具を借りて描いていたみたいです。もう事故から4年目になるんですが、脳裏にやきついている景色があって。どこで、どう見た景色なのか未だにわからないけれど、いろんな記憶が、消えていくなかで、その景色だけは全然消えないんですよ。その見ていた光の景色を描きたいと思って、描き始めたんだと思いますね。

 

 

——光が映像として見えた瞬間があったのですか?

 

ストーリーとして、しっかりと覚えているんですよ。映画「フラッシュバックメモリーズ」の中にも出てくるんですけど、光に包まれているような世界にいて、楽しそうな人だかりが見えたんです。それで、そっちに行こうとするんだけど、行けなくて、逆の方向に光を見つけたから、こっちに行こうと思ったら、こっちには行けたんですよ。そうしたら、その光が近づいてきて、どんどんどんどん吸い込まれる感じになって、気がついたら、病院のベッドの上だったんです。

 

 

——まさに臨死体験ですね。

 

この話をすると、そうやってよく言われるんですけど、自分には、それが臨死大変だったのか、どうかわからないんですよ。でも、意識を失ったことがある人のデータを集めて研究をしている方の話を聞くと、人だかりや、山、光に吸い込まれる、っていうのは、日本だけでなく、国境、人種関係なく、地球上で意識を失ったことがある人たちみんなに、共通するワードだっていうことを言われたんです。そうやって聞くと、あっちの世界行きかけていたのかなって思うんですよね。

 

 

——絵はそのころのことを描かれているんですか?

 

光の絵は特にそうです。そのあと、後遺症で、すごくフラッシュバックがしてくるので、その時々、出てくる画像をスクリーンに落し込む作業をしています。記憶って不思議なんですよね。視覚的なものだけで見ているような気になっていたものも、手触りや、匂い、そのときに流れていた音楽……全部が絡まって、記憶になっているので、みんなだったら、例えば、ご飯を食べに行ったときにも、「これ、どこかで食べたぞ」っていうのが出てくると思うんです。そのとき、それと付随して、「これは、あのときあの子と一緒に食べたぞ」とか、「これ、食べたとき、ああいう音楽が流れていて、このくらいの気温だったな」っていうのが記憶できると思うんですけど、僕らのように神経が途切れてしまうと、何かがひっかかって、何かが出て来ようとしているんだけど、それが何かがわからなくて、すごくストレスなんですよね。脳も少し復活してきているから、何かわからない何かが、ますます出てくるんです。だからこそ、今は、絵を描かずにはいられないですね。描いていると落ち着くんです。

 

記憶を使わないで会話をするのは難しい。  >>

 

 

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