消えた記憶を集めながら、確かに刻む 次への一歩 

ディジュリドゥの奏者GOMA 再起不能と言われた事故から苦難を乗り越へて!!

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楽器を見ても、ディジュが何かわからなかった。 

 

——2010年に初めての個展をされた後、何度か開催されていますが、絵の展覧会は、いかがでしたか?

 

単純にすごく嬉しかったですね。たまたま絵を描き出して、社会に復帰するきっかけをくれたのも絵だったし、絵を描いていなかったら、社会復帰も、もっと時間がかかったと思うんですよね。自分が絵の展覧会をしていることが未だに不思議なこともあるけど、来てくれた人がすごい喜んでくれるんです。みんな、それぞれ自分の人生のストーリーがあるから、その中の何かを投影してくれて、感動してくれる人もいるし、それプラス、自分と同じような症状で戦っている人、そのご家族、お医者さん関係の人、みんなが来てくれる姿を見ると、やっぱりやらないといけないなって思いますね。

 

 

——きっと、ゴマさんがそのときに見た光は、上っ面なものではなくて、誰しもがどこかで持っている、深いところの光だと思うので、その光が、みんなの心に刺さるものがあるんですね。

 

そうだったら、嬉しいです。絵に関しては未だに謎なんですよね。事故の前も絵を描いていたのだったらわかるんですけど、自分の頭の中に浮かんでくる絵を描いていた記憶って、小・中学校の授業で描いたくらいだから、未だに不思議。どうやって描いたか思い出せもしないんですよね。

 

 

——光だけでなく、波や、富士山など、テーマがいろんなものに広がっていますが、画題としてこんなのを描いてみたいというものはありますか?

 

今は出てくる記憶を追いかけていくというか、しばらくは、そんな作業になると思います。

 

 

——ディジュでは、2011年の「頂」が復帰後初のライブでしたね。

 

そうでしたね、シークレットでやらせてもらいました。最初は、ライブをまともにできるかわからなかったので、告知をせずに、時間だけ用意をしてもらって、そこでできそうだったら、やる、という形でやらせてもらいました。

 

 

——今はディジュを吹かれているときと、絵を描かれているとき、比重的にはどちらが多いのですか?

 

半々かな。最初は絵ばっかりを描いていたけど、今は、どっちも同じようなバランスにはなってきている。

 


 

——ディジュとの出逢いは覚えていますか?

 

もともとは日本で出逢っているみたいなんですけど、そのころの情景はまったく自分の中には浮かんでこないな。でもダンスをやっていたのは覚えている。凄く古いことは覚えているんですよね。でも現代に近づくと、ぐちゃぐちゃになってきて混迷してくるんですよ。いつの景色なのかよくわからなくなってきて、匂いとか、何かでてくるんだけど、それが何かわからない。だから、ディジュに関しては、まず楽器を見ても、何かわからなくて。

といっても、事故1、2年の事は一生思い出すことがないだろうって言われていて、ディジュに関しても、どうやって感じたかすら、記憶がないんですよ。

最近になって、外の記憶装置をうまく使えるようになってきたんです。今では、iPhoneに失った脳の機能を頼っていますね。人の顔を覚えたり、メモをとったり、道もマップをみたり。

最初はそれをしたくても、iPhoneの使い方を覚えられなくて、ここ2年くらいでやっとクリアできたんです。なので、他の人みたいに、スムーズに記憶をひっぱり出す流れができないので、毎回、誰かに会うとなったら、その人に関する自分が書いてきた日記をみたり、写真を確認したりしてから会いに行くようにしています。

 

記憶を使わないで会話をするってなかなか難しいんですよ。10年、15年くらいたつと、新しい脳がまたできてくるようなので、そうなってくると、もしかしたら、記憶をできるときは来るのかもしれないんですけど、どういう脳になっていくのか、自分でも未知数ですし、お医者さんも未知数みたいなんですよね。実際、お医者さんたちも、体験しているわけではないし、傷が1mmずれただけでも出る後遺症が全く違うし、人によっても違うみたいなので。人間ってすごく不思議だなって思うようになりました。

 

これは、僕の人生の、僕のストーリー  >>

 

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