映画『そこのみにて光輝く』綾野剛 菅田将暉 池脇千鶴 出演の話題作!!池脇千鶴インタビュー
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ある出来事が原因で仕事を辞め、目的もなく毎日を過ごしていた達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で使い捨てのライターをあげたことをきっかけに、がさつだが人懐っこい青年、拓児(菅田将暉)と知り合う。拓児に招かれ、社会から取り残されたようなバラックの家を訪れた達夫は、拓児の姉・千夏(池脇千鶴)と出会い、ふたりは互いに心惹かれていく。
監督は、『オカンの嫁入り』の呉美保監督。強さと脆さを合わせもった、蓋をしたくなるような人間の匂いを放つ男と女が、揺れ、もがきながらも、まっすぐに生きる姿を描いた、どこか愛おしくなる、艶かしい色気に満ちた作品だ。
キラキラと輝く光ではないけれど、何故だろう、小さな穴から放つ光は、力強い。
映画『そこのみにて光輝く』 千夏役 池脇千鶴インタビュー
千夏
自分で演じておいてなんですが、悲惨な環境状況ではありますが、その中にすごくリアリズムを感じましたし、匂い立つような家族がそこにあるかのような、見せつけられ方がそこにありました。この作品もそうですが、いろんな台本を頂いて読んだときに、自分がどうしても惹かれてしまうのは、上辺だけではなく、やはり存在をしているかのような人たちなんです。ファンタジーであっても、人間の感情がブレずに書いてあったら、私は面白い、観てみたい、と思うんです。でも、そこから一歩でも外れてしまうと、興味を失せてしまう。この作品は、本当に筋が通って描かれていたので、ト書きも何も書いていなくても、状況や過酷さが自分とはかけ離れた人間なのに、千夏は実は心の中で微笑んでいるだろうな、とか、強がった性格だけれど、心では泣いているだろうな、というのが伝わってきました。
ここまで大変ではなくとも、心の揺れ動きは女性なら誰でもあると思うんですよね。自分が今置かれている状況が苦しいとしても、そこ以外がもっと苦しいとすら想像をする臆病さも私は分かるし。本当は普通の生活をした方がもっと楽かもしれない、区役所とかいって、いろんな手続きをしたら、もっと楽かもしれない。人目を気にしなかったら、もっと堂々と生きられるかもしれない、でも、そういうことの方が恐い。世間とのズレって絶対にあると思うので、人特有の細やかな悩みというのはすごくわかるんですよね。
女優という職業は、優れた台本があって、台本の通りにできればいいと思っているので、私が何をしたというものではないのですが、千夏に関していえば、とても芯の強い、たくましい、皆を支える女性ですが、でも、彼女すごくふわっとしていて、こんなに心は据わっているように見えるのに、恋にも揺れ、情にも揺れ、そのくせ、自分の考えも分からずに、強がりなことを言ってバリアを張ってしまう。そこをちゃんと見せることができれば、ただの強い女、ただの母性、ただの受け身にはならないと思いました。
千夏が達夫に「私と結婚したいの?」と聞いたシーンについて
どこから生まれた感情かも、口から出た何かかもしれないですけど、期待はありますよね。素直に言ってもらいたかった。ポスターには「恋を諦めた」と書かれていますけど、絶対に淡い期待はずっと持っていて。そこがちょっと乙女なんですけど、彼女はやはり普通の幸せも諦めきれていない女性なんですよね。
始まりは愛であって欲しい、でも、経済力は必ず必要。ふたりで貧乏していても幸せ、というのは、私はちょっと難しいと思っているので、できれば、あまりそのような苦労は背負いたくないですね。ちゃんと二人で、というか、私も30歳を過ぎて、お互いの家族も一緒になるということも良くわかるので、全てをなるべく二人の自力で守れる力を備えたい、と思いますよね。
家族とは、
どうなんでしょうね…。家族だからこそ腐れ縁のように思いますけどね。家族だからこそ、普通は流せることも流せなかったり、イラっとしたり、思わずぶつけてしまたり。いっぱい喧嘩して、アメリカンなファミリーというのは、私にとっては気恥ずかしいし、言わなくて良いことを言ってしまい、余計溝を深めてしまいそうなので、近いからこそ、難しいと思います。でも、やっぱり家族はひとつの支えでもありますね。きっとそこには帰る場所があるし、家族がいるから、私は捨て身にならず、ちゃんと胸を張って生きよう、と思えますしね。

最後の笑み…
本当に情けない笑顔といったらいいんですかね。何かしら自分を卑下する癖があるなかで、最後の最後で、ね、もうどうしようもないでしょ、という仕方のない笑顔というか、恥もなにもない魂の叫びだったと思います。意識した笑顔ではなかったんですけどね。それが出ちゃったのかな。
この作品の中では、千夏が苦しい人生ばかりなので、演じている最中はやっぱり苦しいんですよ。カットがかかって、合間合間は極力、息は抜けるようにしてあるので、日常は大丈夫だったのですが、苦しさは満載でした。行き止まりの映画だな、というのは思っていて。でもそういうものをやってみたいと思って、みんな集まってくれて、私もいっちょ背負い込むか、みたいな、そういう風に思ったんですよね。
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