キューバンヒップホップを源とした表現で、アンダーグラウンドのみならず、広くワールドミュージックシーンで活躍するKumar Sublevao-Beat インタビュー
彼とヒップホップとの出会とは?そしてこれから向かう彼の音楽の方向とは?
N)初めてヒップホップと出会った時の印象を教えていただけますか。
14歳ぐらいのとき、友人がカセットテープを聞かせてくれて、それが“僕のHip Hop”との出会いでした。音楽と歌詞にすごく心弾かれたことを今でもよく覚えています。「この人たちとこの音楽をやりたい!」と強く感じました。それまでにもちろん、アメリカのHip Hopは知っていましたが、ぜんぜんピンと来ていなくて。でも、友人が聞かせてくれたのは、僕の住んでいた地域の人が作ったキューバンHip Hopで、僕にとってのリアルな世界そのものでした。「コレだ!コレで自分を表現しよう!!」という感じでした。
N)なぜ自分を“表現”したかったのですか?
僕の生まれ育ったハバナ郊外のマンティージャという地域は、複雑な事情を持つ場所でした。日常的に覆い被さる、いろんな出来事や感情から産まれる悪いエネルギーを、背後に押しやりたかったんだと思います。あと、マンティージャには、アフリカから来たいろんな宗教が共存していて、黒人文化に強く影響を受けた音楽にあふれていましたが、直感的にHip Hopはその仲間で、かつ新しい自分たちの世代のための音楽だと思えたので、表現する事自体が自然でした。とにかく僕にとってHip Hopは、パーフェクトな存在でした。
N)故郷での印象的な思い出を教えてください。
個人的なこと、音楽のキャリアのこと、いろんな出来事がありましたが、あまりよく覚えていません。(笑)でも、感じた“気持ち”や“衝動”についてはよく覚えています。初めてキューバンHip Hopのカセットを聞かせてもらった時の「これやりたい!!」という気持ちは、今でも私の原動力です。それらは、僕が作った音楽にエッセンスとして入っているし、これから作る音楽の中にもきっと反映されると思います。今回、豊橋市にある石巻山に登りましたが、本当に素晴らしくて感動しました。その時のインスピレーションも近い将来、僕の音楽になると思います。
N)いわゆるパーティーチューン的なものではなく、生きるために必要なポジティブなメッセージを歌われていますね。
エンターテイメントのためではなく、魂から産まれるものをそのまま届けたいので、自然とメッセージを伝えるスタイルになっています。元々音楽の根源をたどると、気持ちを深めるためになされていたようです。“レクリエーション”というよりは、“クリエーション”に近いことです。僕の音楽は、週末の騒ぎたい時に聞いてもらうのもいいですが、料理をする時、リラックスする時、大事な人と過ごす時など、日常的な場面で聞いて欲しいと思います。その中で、何かしらのインスピレーション、知恵、真実、高ぶる気持ちなどを感じ取ってもらえたら嬉しいです。音楽を通して感じてもらえることって、きっとルーツや歴史に関係なく、人の本質、魂に近いものじゃないかなと思います。それを共有できるって、とても素敵な事ですよね。
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