皆さん60年前にインドネシアで起きた大虐殺を知っていますか?

そして今もその被害者は、加害者達に囲まれながら日常生活を送っている事実を?

 

世界初上映以来 数々の映画賞を受賞、2014年アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞ノミネートにされるなど、世界中で大絶賛を浴びたドキュメンタリー映画『アクト・オブ・キリング』の続編として、伝えなければならなかったもうひとつの史実がついに映画化された。

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この映画に関しては、見たい 見たくない に関係なく、人間として見なければならない映画なのかもしれない。

今作『ルック・オブ・サイレンス』は、NOSVISの主観と感想はできるだけ少なく、監督の込めた思い、60年前にインドネシアで起きた暗い闇を、提供された情報をそのままお届けしたいと思う。

 

前作映画『アクト・オブ・キリング』予告編

 

 

今作映画『ルック・オブ・サイレンス』予告編

 

 

『ストーリー』

虐殺で兄を失った青年は、自ら加害者に会い、その罪を直接問いかけた。

静かな衝撃の中に、50年間沈黙を強いられた母と子の想いが溢れ出す――――。

虐殺で兄が殺害された後、その弟として誕生した青年アディ。彼の老いた母は、加害者たちが今も権力者として同じ村に暮らしているため、半世紀もの間、亡き我が子への想いを胸の奥に封じ込め、アディにも多くを語らずにいた。2003年、アディはジョシュア・オッペンハイマー監督が撮影した、加害者たちへのインタビュー映像を目にし、彼らが兄を殺した様子を誇らしげに語るさまに、強い衝撃を受ける。

「殺された兄や、今も怯えながら暮らす母のため、彼らに罪を認めさせたい―――」

そう願い続けたアディは、2012年に監督に再会すると、自ら加害者のもとを訪れることを提案。しかし、今も権力者である加害者たちに、被害者家族が正面から対峙することはあまりに危険だ。眼鏡技師として働くアディは、加害者たちに「無料の視力検査」を行いながら、徐々にその罪に迫る。加害者たちの言葉から浮かび上がるのは、“責任なき悪”のメカニズム。さらには、母も知らなかった事実が明らかにされてゆくのだった。半世紀もの間、恐怖によって“沈黙”を強いられてきた被害者たちの想いが、いま溢れ出す…。

 

 

『ルック・オブ・サイレンス』記事内画像1 すぐ隣に加害者がいる恐怖。常識を超える、被害者と加害者の“対面”。

そこから“責任なき悪”を生み出す心理的メカニズムがあぶりだされていく――――。

 

『アクト・オブ・キリング』が加害者に密着し、彼らの内面に寄り添うことで“悪の正体”に迫った一方、『ルック・オブ・サイレンス』は被害者側から加害者の姿を見つめることで、被害者にとって、恐怖が日常生活のすぐ近くにあることを強く印象付ける。兄を殺した加害者は、今も同じ村の権力者であり、知人であり、時にはごく近い親戚でもある。あまりに身近な恐怖のために、被害者たちが沈黙を強いられ続けている様子が、アディや母、家族たちの葛藤を通して浮き彫りにされていく。そしてもう一つ、アディが沈黙を破り、加害者と対峙することで目の当たりにしたのは、加害者の誰もが、虐殺を自分の責任とは捉えていないという事実。「命令に従っただけだ」と声を荒げる有力者、「ただの監視役だった」と開き直る実の叔父、「(あなたの兄を殺した)父を本当の家族と思って」と不気味な親密さを見せる加害者の娘…。殺人の実行者たちが、責任を感じることなく大罪を犯し得る心理的メカニズムが浮かび上がってくる。

 

 

 

60年前インドネシアで何が起きたのか?そして『アクト・オブ・キリング』、『ルック・オブ・サイレンス』ができるまでに何があったのか?

 

1965年、インドネシア。スカルノ大統領(当時)親衛隊の一部がクーデター未遂事件を起こす。このクーデターの収拾にあたった軍部のスハルト少将(後のインドネシア第二代大統領)らは、事件の背後にいたのは共産党だとし、西側諸国の支援も得て65~66年にインドネシア各地で100万とも200万ともいわれる人々を“共産主義者”だとして虐殺。以来彼らは今も、権力の座に就き続けている。映画作家ジョシュア・オッペンハイマーは、北スマトラ州の州都である大都市・メダンで虐殺の被害者家族を取材するも、当局の妨害により一旦は断念。しかし被害者たちの助言により加害者側を取材して『アクト・オブ・キリング』を撮影した。その後、本作の主人公アディの強い要請で、彼が兄を殺した加害者に直接会いに行く現場に同行。その過程を、家族の葛藤を交えて記録したのが本作である。

 

虐殺で兄が殺害された後、その弟として誕生した青年アディは、兄の顔すら知らない。老いた母は今なお、半世紀前に失った我が子の記憶に心を痛めているが、息子を殺した加害者が今も権力者として同じ村に暮らすため、その想いを胸の奥に封じ込めたまま暮らしている。母よりさらに年老いた父は重い認知症を患い、辛い記憶と一緒に、息子が存在した事実すら忘れてしまった。2003年、彼らの前に現れたひとりのドキュメンタリー映画作家、ジョシュア・オッペンハイマー。アディは、大虐殺についての取材を進めるオッペンハイマー監督が撮影した、加害者たちのインタビュー映像を目にし、彼らが兄を殺した様子を誇らしげに語るさまに、強い衝撃を受けた。

「亡き兄のため、今も怯えて暮らす母のため、彼らに罪を認めさせたい―――」

アディはオッペンハイマー監督の映画制作を手助けすることを決め、撮影のため自分たちと同じ境遇にある被害者家族たちを集めた。しかし、取材はすぐに当局や民兵組織の圧力によって続行不可能に。

監督は取材対象を加害者に変えて撮影を続行した(映画はその後『アクト・オブ・キリング』として2012年8月に完成)。

 

2012年、『アクト~』の撮影を終え、編集の前段階だった監督に、アディが提案した。

「兄を殺した加害者たちに直接あって、責任を問いたい」

彼の身を案じたオッペンハイマー監督は反対するが、アディの強い意志に押され、一緒に加害者を訪れることに。しかし、加害者たちが今も権力を握るインドネシアで、被害者が直接加害者に対峙することはあまりに危険だ。眼鏡技師として働く彼は、加害者たちに「無料の視力検査」を行うことで彼らの警戒を和らげると、静かに視力を測りながら、徐々に核心をついた質問を投げかけてゆく。加害者たちの言葉から浮かび上がるのは、“責任なき悪”のメカニズム。さらには、母も知らなかった真実が明らかにされていく・・・。

 

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