ミシェル・アザナヴィシウス監督インタビュー

 

「アーティスト」でアカデミー賞5冠に輝いたミシェル・アザナビシウス監督が描く 待望の新作

『あの日の声を探して』

戦争という過酷な環境下におかれた人々が、生き抜くためにそれぞれの選択をしていく。
目の前で両親を殺された9才の少年ハジ、被害者の証言を集め戦争と向かい合うEU職員キャロル、

ロシアで平和に暮らしていたはずが 戦争という渦に巻き込まれ自身を失っていく少年コーリャ、

それぞれが戦争という異常な環境下で生き抜くその姿は、実に衝撃的で心を揺さぶられる!

 

『戦争に大義など存在しない 戦争は純粋なる悪である ただ そこでもひたむきに生きる人間の姿はあった』

 

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NOSVIS)この映画は、かなり前から温めていたと伺いましたが、今作を作るきっかけを教えてください。

 

監督) やはりきっかけは、前作『アーティスト』でのオスカー5冠受賞が大きかったと思います。

また『アーティスト』はサイレントムービーだったので、今回はそれとは違うものを撮りたいと思っていたこともあり、良い題材だと思いました。

『アーティスト』は、サイレントムービーという特殊な映画だったため、スタッフの皆も疑心暗鬼の中での大ヒットだったんです。今作の題材に対しても、スタッフの皆がそれをやるの?というところから始まりましたが、プロデューサーがいいよと言ってくれたお陰で資金集めもすんなりと行きました。

また、私自身常に8〜10本ぐらいの様々な企画を温めているのですが、実は『アーティスト』と今作のどちらを撮るか当時迷っていた時期もありました。当時撮れなかった要因としては、やはり撮影に莫大なお金がかかる事もあり、当時その資金を集める事ができなかったため、『アーティスト』を先に撮ったんです。

 

ミシェル・アザナヴィシウス監督インタビュー記事内画像-1

 

NOSVIS) チェチェン紛争を題材とされたのはなぜですか?

 

監督) チェチェン紛争は、現代を代表する紛争だったと思います。20〜30万人もの多くの民間人の死者を出したといわれています。そして、国際社会がその紛争に対して全くの無能な状態である事を知らしめてしまった。現代の戦争を語る上では、特に適していると思ったんです。

また、私自身もそのような状態に対して、なにか違うと違和感を覚えた事も1つの要因ですね。

今作では、戦争映画を撮るという気持ちはなく、ジャンルに対してもこだわりはなかった。。

やはり一番感心があったのは、“人間を描く”という事です。しかも、戦争という誰にでも起こりうる危機的な状況の中で、どのように人間が行動をするのか?それは自分の生活や他者との関係性、国際社会との関係も大きく変わる非常に総合的な危機的状況であるわけです。

そんな危機的な状況の中での変化を描きたかったのです。そして、そこに巻き込まれた人たちについて報道を通して見る事はありますが、本当の実像は見えてきません。

ですから、私はそんな戦いの犠牲者、目がいきづらい人々たちの実情を少しでも感じてもらえれば、、知るきっかけとなってくれればと作品を作りました。

 

NOSVIS) 今作は、人間の凶器と情愛が複雑に入り交じっています。人間とは何か?というものを考えさせられる映画でした。あのような危機的状況におかれた場合、人間は悪魔にでも変化しうる生き物だと思いますか?また、人間とはどのような生き物だと監督は感じていますか?

 

監督) 戦争というものが起こった時には、誰が戦争によって得をしたか、勝利したか、そういったものはなく、全ての人間が被害者だと思っています。

そして、そのような危機的状況の中では、人間の本性である良い面も悪い面も浮き彫りにされていく状況だと思います。例えば、日常では見せる事のなかった勇気を見せたりする人もいるだろうし、その反対に、卑怯であったり残虐性を出し、酷い行為をしてしまう人間の闇の部分を浮き彫りにしてしまう事もあるかもしれません。それは日常ではなかなか出てこない面ですよね。ただ言える事は、人間はどんな状況に対しても順応する力を持っているという事です。作品に登場するハジという男の子は、過酷な状況に順応していき、希望を持たせてくれる形で生き延びていきます。その反対にコーリャは、残虐な事を平気でおこなってしまうような人間に変わっていく。それは見ていても背筋がぞっとするような変わり方だと思います。

 

ミシェル・アザナヴィシウス監督インタビュー記事内画像2

 

 

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