ミシェル・アザナヴィシウス監督インタビュー

 

「アーティスト」でアカデミー賞5冠に輝いたミシェル・アザナビシウス監督が描く 待望の新作

『あの日の声を探して』

戦争という過酷な環境下におかれた人々が、生き抜くためにそれぞれの選択をしていく。
目の前で両親を殺された9才の少年ハジ、被害者の証言を集め戦争と向かい合うEU職員キャロル、

ロシアで平和に暮らしていたはずが 戦争という渦に巻き込まれ自身を失っていく少年コーリャ、

それぞれが戦争という異常な環境下で生き抜くその姿は、実に衝撃的で心を揺さぶられる!

 

『戦争に大義など存在しない 戦争は純粋なる悪である ただ そこでもひたむきに生きる人間の姿はあった』

 

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ミシェル・アザナヴィシウス監督インタビュー記事内画像3

NOSVIS) 戦争によって相反し、変化をしていく二人の様を、1つの作品に納めていますが、監督の本作に対する想いをお聞かせ下さい。

 

監督) それぞれの人が特殊な環境におかれた時、どちらに落ちていくのかは、その時の状況や運命によって左右されてしまうわけです。殺戮という道へ進むコーリャの軌跡を希望なく描いているのは、やはり私自身、虐殺者という者に希望はないと思っているからです。

 

NOSVIS) 確かに監督の仰る通り、虐殺者に希望はあって欲しくないと感じます。

ただ、この二人は極限の状態で生き抜く中で、環境の違いや、人との巡り合わせの違いによって生き方が大きく変わっていると思います。監督の中で生き抜くとはどういう事ですか?

 

監督) 平和な状況で生き抜くという事は別の問題となりますが、戦争という状況の中で生き延びると言う事は、通常の人間があっという間に非日常の人間へ変化させてしまう事だと思います。今まで信じていたものが崩壊し、消えていってしまう。そんな状況では、普通ではいれなくなるのかもしれません。

例えばこんな証言があります。

コートジボワールで学校の先生をしていた人が語ってくれました。

その方には娘さんが2人いたのですが、ある時、住んでいた村が15日間軍隊に攻撃され逃げ惑わなければならなかったそうです。そして逃げ惑う中、ある瞬間娘の手を放してしまい、その後、娘と会う事はなかったそうです。

そのことを未だに後悔しているそうですが、あの極限の状況ではどれだけ愛している娘の手ですら、あっという間に放す事ができてしまう。それが極限という状況なのだと言っていました。

 

NOSVIS) 冒頭の映像で、手持ちカメラでの撮影を入れられていましたが、何故あえて手持ちだったのですか?

 

監督) 私は観客がその題材に対して持っているイメージというものを大切にしたいと思っています。今回のチェチェン紛争の場合、恐らく、ルポルタージュやドキュメンタリーで映像を見ている方もいると思います。ですから、それに近い感覚を再現しようと思いました。

美しい映像、綺麗な構図、綺麗な画質ではなく、手持ちカメラで撮っているかのようなスタイルを再現し、むき出しと言うか、リアリズムではないですが、荒々しさや素の映像を表現したくて取り入れました。

 

NOSVIS) 次回の作品構想などは、ありますか?

 

監督) 実は、次回アメリカ製作のコメディーを作ろうと思っています。

テーマとしてはとてもライトなテーマとなっていて、撮影もアメリカで撮ろうと思っているので、私にとっても新たな経験ができるのではと思っています。シナリオもすでに送られてきていて、もちろん僕自身が書き換えをするところもありますが、とてもオリジナルの強い内容なので、是非やってみたい企画です。

その他やりたい事、挑戦したい事はたくさんあるのですが、やはり皆さんにとって意外性のあるびっくりする作品を撮るためには、ヒット映画からは離れないといけないかなとも思います。

 

 

NOSVIS)最後に監督が普段から大切にしている言葉はなんですか?

 

“どんな時も笑顔を”

 

ミシェル・アザナヴィシウス監督 見出し画像4

 

ミシェル・アザナヴィシウス監督 記事内画像画像5

 

 

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『あの日の声を探して』

4月24日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中!

 

{STORY}

1999年、チェチェンに暮らす9歳のハジは、両親を銃殺されたショックで声を失ってしまう。姉も殺されたと思い、まだ赤ん坊の弟を見知らぬ人の家の前に捨て、一人放浪するハジ。彼のような子供さえも、ロシア軍は容赦なく攻撃していた。ロシア軍から逃げ、街へたどり着いたハジは、フランスから調査に来たEU職員のキャロルに拾われる。自分の手では何も世界を変えられないと知ったキャロルは、せめて目の前の小さな命を守りたいと願い始める。
 ハジがどうしても伝えたかったこととは? 生き別れた姉弟と再び会うことができるのか──?

ハジとその姉に扮するのは、オーディションで選ばれた、撮影当時10歳と17歳のチェチェンの素人の子供たち。自然な感情をそのまま差し出す彼らの演技は、涙なくしては見られない。さらにロシア兵役に抜擢されたのは、ロシアの新人俳優マキシム・エメリヤノフ。穏やかな青年が殺人マシーンに変貌していく様を強い説得力で演じ切り、各国のメディアから熱い称賛が寄せられた。
ハジを保護するキャロルには、『アーティスト』でアカデミー賞Rにノミネートされたベレニス・ベジョ。仕事を人生の第一優先と考え、家庭も持たず離れて暮らす母親のことも煩わしく感じるキャロル。社会的に大きな目標ばかり追いかけていた彼女が、ハジを助けることで身近な幸せの大切さを思い出し、自分自身が救われていく姿は、大人の女性たちの深い共感を呼ぶだろう。その他、『キッズ・オールライト』などでアカデミー賞Rに4度ノミネートされた名女優アネット・ベニングが、迷える者たちの心をつなぐ重要な役を演じている。
闇の中でもがきながら、光を探す彼らに、私たちは胸を打たれ、そして気付く。光は天から射すのではなく、彼らの命のきらめきにこそあることに──。

 

出演:ベレニス・ベジョ『アーティスト』、アネット・ベニング『キッズ・オールライト』、マキシム・エメリヤノフ、 アブドゥル・カリム・ママツイエフ、ズクラ・ドゥイシュビリ

監督・脚本:ミシェル・アザナヴィシウス

原題:THE SEARCH/2014年/フランス・グルジア合作/135分/カラー/ビスタ/5.1chデジタル/字幕翻訳:寺尾次郎

原案:フレッド・ジンネマン『山河遥かなり』

後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

配給:ギャガ

公式サイト:http://ano-koe.gaga.ne.jp

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