Anita’s Last Cha-Cha 

アニタのラスト・チャチャ

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大阪アジアン映画祭では「スペシャルメンション」を受賞したフィリピン映画『アニタのラスト・チャチャ』。田舎町で暮らす少女が、ある日突然目の前に現れた絶世の美女ピラルに恋をする、甘酸っぱい初恋を描いた作品だ。本作では初恋のみならず、同性愛や中絶など、現代社会で身近に起こりえる課題や問題も田舎町で暮らす人々の心の葛藤を通し描いているため、フィリピンはじめ各国で上映の際には賛否両論あったという。

監督はシーグレッド・アーンドレアP・ベルナード。初の短編映画”Babae”(04年)でフィリピンのシネマラヤ映画祭で監督賞を受賞した他、最新作”Ang Paghihiintay sa Bulong”(12年)でも同映画祭にて脚本賞を受賞するなど、国内外数々の映画賞を受賞しているフィリピン期待の若手監督だ。大阪アジアン映画祭のために来日をしていたベルナード監督と、撮影を担当したアルマ・R・デラペニャに話を聞いた。

  

 

——フィリピンでは既に映画が公開中とのことですが、日本とフィリピンで観客の反応の違いはありますか?

 

丁度私たちも、その話をしていたところなんです。フィリピンの「シネ・フィリピーノ」という映画祭の助成金をもらってできた映画なので、フィリピンでは既に公開されているのですが、反応が随分違うんです。今日も上映会を2人で見ていたときも監督が「誰も反応してないよ、」「誰も笑ってくれていないよ、」とずっと心配していたんです。フィリピンでは、映画の声が聞こえなくなるくらい大きな声で笑うんですが、日本では静かなままなんです。

 

 

——恐らく、会場を明るくして、お客さんひとりひとりの顔をみたら、日本人も笑っていると思いますよ。映画館で声を出して笑うという習慣があまりないだけだと思います。

 

そうなんですね。すごく心配で、ドキドキしていたので、聞いて安心しました。ありがとうございます。

 

 

 左:監督のシーグリッド・アーンドレアP・ベルナードさん 右:アルマ・R・デラペニャさん   

 

——子役の3人も、とても愛嬌のある特徴的な子達ですね。

 

アニタ役の子は、本当はいかにも女の子という感じだったのですが、ボーイッシュな役柄だったので、実際の性格とは正反対の演技をしてね、と指導をしましたが、ゴインとカルメンは、映画の中での性格そのままで、現場でもとてもわんぱくでした。

 

 

——アニタはオーディションだったそうですが、映画を撮影しようと考えられている段階から、ゴインとカルメンの子役は決まっていたのですか?

 

2006年に脚本を完成したときには、ゴインという役はいなかったんです。カルメンもほんの脇役だったのですが、今回、二人の役を膨らめました。

 

 

——ゴインがいてくれたお陰で、カルメンはひとりぼっちにならなくてよかったですね。

 

そうですね。映画が終わった今でも、すごく仲良しみたいです。

 

 

——フィリピンでは映画の中で扱っている中絶の問題が取り上げられているというお話がありましたが。

 

試写の2日前になって、レイティングシステムに引っかかってしまったので、自分たちとしては予想外で驚きました。フィリピンはもっとオープンな国で、もっと公然と議論されているし、フィクションの物語なので、どうしてだろうと思って抗議をしたところ、なんとかR-16になりました。

 

 

——その際に挙げられた理由はどのようなことだったのですか?

 

最初に試写をしたときに、神父さんがいらっしゃって、カトリックの方でしたので、気になられたのではないかな、と思います。今ちょうど、ピルの使用についてなどの法案が審議されているところなので、そういうことも関係しているかと思います。

 

 

——今回の映画は、子供が大人に恋をしたり、その相手が同性だったり、中絶の話があったり、と様々なテーマを抱えていますが、どのような方達に見てもらいたいですか?

 

確かに今回の映画は様々なことが描かれているのですが、観てくださる方には、ひとつひとつのことに向かい合って欲しいと思いますし、それらが映画の中で起こっているだけでなく、現実の世界で起こっているということを受け入れて欲しいと思っています。私としては、勇気をもって、現実社会にある問題を映画にとりいれたつもりです。今回の映画は、全部が全部私の経験というわけではないですが、少し自伝的な部分もあります。なんといっても、私たちみんなが共感できるのは、初恋という部分だと思います。

 

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