『日常の生活に「アート」というきっかけを』3331 Arts Chiyoda 統括ディレクター 中村政人 インタビュー

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日常の生活に「アート」というきっかけを

 

旧練成中学校を改修し、誕生したアートセンター「3331 Arts Chiyoda」。
展覧会スペースでもあり、カフェでもあり、憩いの場所でもあり、公園、事務所、体育館、菜園……と、様々な“プラス”が詰まったこの場所では、アーティストやクリエイターをはじめ、全国の人々が日々、自由に表現を発信し続けている。そんなアートの新たな発信場所を作り出した3331 Arts Chiyoda統括ディレクター中村政人氏にお話を伺った。

 

 

学校でアートセンターを始められたきっかけを教えてください。——

 

千代田区で、廃校になった旧練成中学校を文化施設にする事業計画と建築改修のコンペがあり応募したことが直接的なきっかけです。しかし、元々オルタナティブなアートセンターをつくるというプロジェクト構想は、以前からずっと抱いていました。
3331を立ち上げるベースは、コマンドNというアーティストの団体です。1997年に今でいうシェアオフィスと小さなギャラリーを運営したのが始まりです。コマンドNの代表的な活動は、「秋葉原TV」という街を使ったアートプロジェクトです。3331を立ち上げる時には、コマンドNのメンバーが中心になって出資し、新しい運営会社をつくりました。現在のコマンドNは、非営利タイプの一般社団法人として震災復興活動やアーティストインレジデンス等の企画制作をしています。

私もアーティストですので、各地で制作活動をしたり、海外に行ったりしていますが、自分のホームとなるエリアで文化をきちんと創っていくという態度がない限り、いくら外でもてはやされて作品を創っていても、流通にのっかるだけで意味がないなと感じていました。それなら自分たちの場所をつくることに力を入れるべきだと思い、チャレンジしたのです。小さなギャラリーでスタートした頃から志しているオルタナティブな精神は、今に繋がっています。

 

 

共同スペースの要素を強く感じるのですが、アートと訪客との間にベストな距離感はあると思われますか?——

そもそもアートって日常的なものですよね。特別にあるものではなく、気付くか気付かないかの問題ですよ。特別に作品だと言われなくても、風景をみて綺麗だと思った感情をきちんと読み取れるのであれば、充分なのです。アーティストの人たちや、絵の好きな人たちは読み取る力が強いですよね。でもアーティストではない人たちは、読み取る力が高校生くらいから弱まっている。日常にアートというキーワードを置くことで、工芸品的なものから、建築的なものまでカテゴライズされたアートにとらわれることなく、自分で見立てるだけでアートを成立させられるのです。

文化施設の役割は、優れた良い物を見せる、ということと、今回の「ポコラート全国公募展」のように、自分は作品を作っているかどうかわからないけれど、無名でもどんどんおもしろいものが作れてしまう人たちを紹介していくことではないかと思うのです。彼等の日常と、アートシーンで活躍する人たちの日常と、どう違うのか。片方はアートシーンで高い値段をつけて、マーケットに持って行けて。片や、もの凄くすぐれた作品が生まれていたとしても、だれも見向きもしなければ、本人も気付かない。この違いの日常は何だろうって考えるのです。

 

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