〈日本警察史上の最大の不祥事〉と呼ばれる驚愕の実事件をモチーフに、北海道警察・警部が逮捕されるまでの壮絶な26年間が描かれた映画『日本で一番悪い奴ら』。本作の主演には綾野剛、“S”と呼ぶ裏社会のスパイ役に中村獅童ら豪華キャストを迎えた衝撃の問題作!!メジャーデビュー作となる『凶悪』(13)が、国内の各映画賞を総ナメにした白石和彌がメガホンをとり、見事なまでにエンターテイメントとして描いた、ヤバすぎる話題作!

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NOSVIS 今作に描かれた諸星要一(綾野剛)のような危険な匂いが漂いながらも、どこか人間くささ漂う人物はお好きですか?

 

好きですよね。みんなそうじゃないですか?清廉潔白な人だけが自伝になりがちだけど、そんなの読んでも全く面白くない(笑)。やっぱり破天荒っていうのが物語や映画には必要で、破天荒であればあるほど面白いんじゃないかなと思います。そういう人が愛を語ったり友情を持ってたりすると、自分たちと共通する部分があるんだって、親近感を持ったりする気持ちが入ったりするんだと思います。

 

NOSVIS 白石監督が思う人間くささの溢れる人物を教えてください。

また諸星要一を描くにあたり白石監督の中でシンクロさせた人物はおられましたが?

 

いろんな人のエピソードの集大成ですね。僕の師匠である若松孝二監督の話も入っています。劇中の「サメエキス」の話なんかはそうです(笑)。若松さんの『俺は手を汚す』っていう自伝にも書いてあるんですけど、「サメエキス」買って儲けようと思ったのはいいけど結局借金になっただけっていう(笑)。

 

『日本で一番悪い奴ら』記事内画像4

 

NOSVIS 綾野さんはじめキャストのみなさんはとてもハマリ役だと思いました。どういった経緯でキャスティングしたのでしょうか?

 

実際に原作者である稲葉さんがS(スパイ)として扱っていた人物っていうのは、アウトローな人たちだけじゃなく、医者とか本当にいろいろな種類の人たちだったみたいなんです。そこで、歌舞伎役者の獅童さん、ミュージシャンのDAISさん、お笑い芸人の植野さんでその雑多な感じを出せたらなと思ってキャスティングしました。DAISの役は、オーディションでもなかなかいい人が見つからなくて、『TOKYO TRIBE』に出ていたのを見ていたのでこちらからオファーしました。彼は北海道出身で、一人北海道の空気を吸っている人が欲しかったというのもあって。同じ世代の人だけになっちゃうとチームとして薄っぺらくなってしまうので、そういう意味で厚み持たせるためにも少し年上の獅童さんにお願いしました。(植野)行雄ちゃんは完全にプロデューサーからの提案でしたね。行雄ちゃんは、最後の暴れるシーンとか結構ルール破りで(笑)。刃は落としてあるけど一応刃物持っているわけだからある程度ルールを守ってやらないといけないですけど、気合が入っていたのと、見せ場というか重要なシーンだったので、力が入って若干やりすぎちゃったんです。でもそれを綾野くんはプロだからしっかり対応してくれて、すごくいいシーンになりました。

 

『日本で一番悪い奴ら』記事内画像3

 

NOSVIS とても印象的なカメラワークが点在しておりましたが、とくに意識されたシーンはありましたか?

 

瀧さん演じる先輩が捕まったあと、諸星が「俺はどうなるんだ」と飲み屋街を歩いていくうちにだんだんワル顔になっていくっていう数年かけてやるようなところをワンカットで見せたくて。で、そのままマル暴(暴力団対策課)時代につながればいいなと思って撮りました。あそこは計算したというか、普通に撮ったらつまらないなと思ってました。

 

NOSVIS 今作はエンターテインメントを意識されたとの事ですが、本作を拝見しあまりのできに打ち抜かれた映画だと感じました。白石監督が思うコメディ作品となっていましたか?

 

まあブラック・コメディなのかな。笑いを狙いにいくコメディはあまり好きじゃなくて、狙ってなくても滑稽に見えることが僕にとっては重要なんです。実は割とシリアスな映画を撮っているときでもその意識は変わらないんですけどね。そういう意味では滑稽にはなっているとは思います。ただ終わってみたときに「コメディ」かというとそうではない。一概に簡単にジャンル分けできる映画ではないですね。

 

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