SNIFF OUT 2013のイメージキャラクターを務める「ミラーボールマン」の生みの親 現代アーティスト西野 達  Tatzu Nishi

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母校の武蔵野美術大学は、強烈な個性を持った人たちの集まりだった 

 

——西野さんにとって、アートはどのような存在ですか?

 

西野達を表現する唯一の手段だね。

 

 

——表現をする手段を得て、気持ちの面で楽になりましたか?

 

小さい頃から絵を描いていたから、「表現する手段を得て」というような変わり目はなかったな。でも、武蔵野美術大学に入学したときにすごく解放されたのを覚えてる。今は女の子も多くなって学校の雰囲気も昔とは違っていると思うけど、俺が入った頃のムサ美は社会に適用できないような学生がうじゃうじゃいたよ。変わってる奴といっても変人や変態という意味よりも、強烈な個性を持った人たちの集まりって感じかな。服装も行動も考えも、当時のムサ美生は反社会的人たちが多かったと思う。言葉は矛盾してるけど、一匹狼の集団。

美大がどんどんマトモになっちゃうと個性豊かな人たちの行き場がなくなるし、そうすると個性を出すのは良くないという考えが大きくなってく。美大は変な人たちが集まってくる場である、というのが良いと思うけどね。日本がだめになってきているのも、個性を認めない右へ倣えの社会だからだよ。

 

——自分たちで発信する場がある、という恵まれた状況があることで、誰でも作家の気分にもなれますが、積み重ねがあって表現する人たちの作品には、安易にできてしまった作品に比べて奥行きを感じますね。

 

俺が考えるアートって、勉強して獲得できるものではないと思う。流行を読むデザイナーや他の作家について語る評論家なら、勉強すればなれるけど、アートはもともと客観的なものでなく、矛盾だらけのぐちゃぐちゃな主観をすべて背負い込んで進んでいくものなんだ。周りからどういう風に思われようが、右へ倣えをしてこなくて、個性的に生きてきた人々の作品に奥行きがあるのは当然だと思うよ。「個性」、言い換えれば「独自のコンセプト」こそが現代アートの最重要事項だからね。

だから真面目に大学で先生についてアートの勉強をしても、作品は生まれるけどアートではない、こじゃれたものしかできないことのほうが多いはず。教授がどういう風にアートを理解しているかで大きく変わると思うけどね。

 

 

——作家というフィルターを通った匂いがするか、しないかが大きな差がうまれてくると思うのですが、ただ、軽さを求めている気がするんですよね。

 

軽さを求めるのは、売れやすいというのが理由にあるかもね。でも俺の中ではアーティストとして制作していて最大に面白いところは、今まで誰も知らなかった、まったく新しい世界の最初の目撃者になれるということなんだ。未知の惑星に向かう宇宙飛行士か、革命的な技術を開発してる科学者っていう感じかな。

それを考えたら、そこら中にたくさんいる金持ちになるなんてつまらなく思える。アートを一回やり始めるとみんな抜けられなくなっちゃうのは、そこが理由かな。その結果、金が入るんだったらそれに越したことはないけどね。

 

[左]稲岡求 氏(Chim↑Pom)[左から2人目]卯城竜太 氏(Chim↑Pom)[中央]西野達 氏[右から3人目]加藤翼 氏らと

 

 

 

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