手抜きをせず、愛情を持って子どもを育てるように造ること

勝沼ワイナリー 白百合醸造

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手抜きをせず、愛情を持って子どもを育てるように造ること

 

山梨県甲州市勝沼。

8、9月のシーズンになるとどこのワイナリーにも観光客が溢れかえるほど、今では言わずと知れたワインの聖地だ。

とはいえ、白百合醸造が勝沼にワイナリーを移転した昭和60年頃はまだ観光客相手のワイナリーはほとんどなく、甲州街道沿いの観光ブドウ園80軒ほどに3ヶ月間の季節限定酒販免許が下りる日には、トラック1台分ほどの品物を一斉に届ける大仕事だった。

 

その当時訪れた人々のお目当ては、お土産用の甘口。

一方、地元では一升壜の辛口の葡萄酒を傾け、湯飲み茶碗に注ぎ、冠婚葬祭では嬉しいと言っては飲み、悲しいと言っては飲んだという。その当時、地元の人々にとって一升壜(1.8L)が葡萄酒、720mlはワインというような認識だった。

現在3代目社長の内田多加夫さんはその当時、木枠に入った10本入り(34kg)を自転車の荷台につけたり、リヤカーに乗せたりして配達していたお祖父さんお父さんの姿が脳裏に残っているそうだ。「そうした祖父や父の苦労があって、今があるといつも感じています。今は1升壜も軽量瓶、そして段ボールの6本入りです。ずいぶんと扱いが楽になりましたよ。」と話す。

 

 

今では内田社長の右腕としてなくてはならない存在となっている奥さんの由美子さんは嫁いできた当初、お正月のお供えの数の多さに驚いたという。「30個ほどの大小のお供えを、神棚、屋敷神さまは元論、ワインを造る機械すべてに義父と主人がお供えして回ったんです。」

ワインに関わる全てのものに感謝し、大切に扱うからこそ、世界からも評価されるワインができるのだろう。

 

今年白百合醸造の「甲州樽発酵2012年」は『日本で飲もう最高のワイン2014年度』にて「愛好家部門プラチナメダル」ならびに「専門家部門ゴールドメダル」さらに「ベスト甲州」を獲得した。

どこにも負けないワインを作る秘訣は?と訊ねると「良い葡萄を作ること。手抜きをせず、愛情を持って子どもを育てるように造ること」だと教えてくれた。

白百合醸造さんの葡萄の樹々は、この葡萄からできるワインが美味しくないわけがない、と思うほど、活力に満ちていた。

 

 

 

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