上野駅から徒歩5分、終戦直後から続く焼き肉屋

ホルモン料理 とらじ亭!!今日も赤い看板にさそわれて!

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焼肉・ホルモン料理 とらじ亭

 

上野駅から徒歩5分、終戦直後から続く焼き肉屋がある。
ここに初めて訪れたのは、東京の立地も分からず、当てもなく歩いているときだった。
その日は、辺鄙な工場跡地で行なわれた、とあるブランドの展示会の帰り道だった。往復のシャトルバスが銀座から出ていたが、何故だか帰りは、自分がどこにいるのか把握すらしていないにもかかわらず、「歩いて帰る」選択をしてしまった。今思えば、この選択が孤独の3時間30分の徒歩の旅の始まりだった。

ぼんやりと考えごとをしながら、広い幹線をまっすぐと歩いた。幹線に取り付けられた案内表示の看板のみだけを頼りに、歩き続けた。
道路を走るタクシーを横目に見ながら、乗ってしまおうかと思ったものの、持ち合わせも少なく、その日の食事代と宿泊代は残しておきたかったので、諦めることにした。
何度か、飲食のチェーン店に入ろうとも考えたが、あまり気乗りもしなかった。
とくに印象に残っているのが、広告に高木ブーを起用したポスターの貼られたチャンポンのお店だった。何度も何度も高木ブーに吸い寄せられそうにもなったことを覚えている。

そんなこんなで、ようやくたどり着いたのが、上野だった。歩き始めて3時間以上がたっていた。

足も棒になり、空腹で疲れも出てきたため、どこかに良いお店はないかと、上野を少し散策することにした。
お酒も入り、大きな声で話すサラリーマンや、パチンコ屋の大きな音を通り抜け、ふらりと入ったアメ横界隈には、いくつもの焼き肉屋があった。その中で、偶然入ったお店が、今回ご紹介する「とらじ亭」だった。

 

外観は、昔ながらの3階建て店舗兼住居といった感じの、まさに昭和建築。赤い看板に大きく書かれた「焼肉・ホルモン料理 とらじ亭」が目印となる。

1階は、焼肉屋にしては珍しいカウンタースタイルだ。5席ほどの小さな店内なため、一人でやってきた常連さんらしき人たちに席を少しひいてもらいながら、キッチンに立つご主人と奥さんと軽い挨拶を交わし、2階にあがる。小さな机3脚だけの2階席は、店というよりも家にいるような感覚になるほど、くつろげる。 

 

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