映画『追憶と、踊りながら』 ホン・カウ監督インタビュー

 

これだけ詩的で美しく穏やかな映画を見たのは、何年ぶりだろう。

陶磁器を思わせるような滑らかで美しい映像

決して作品の中だけではない日常のリアリズム 感情のリアリズムがこの作品に閉じ込められていた。

そっと静かに お互いの感情がぶつかり合い 重なり合い 静かで穏やかな時が流れていた。

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『追憶と、踊りながら』 記事内先方写真2-2

 

NOSVIS)映像を見ていると、まるで陶磁器の滑らかで美しい肌を見ているかのような画面となっていましたが、画面の色調表現やディティールへのこだわりを教えてください。

 

ホン・カウ監督)映画の映像ディティールに関しては、かなり気を使いました。

とにかく美しい映像にしたいという気持ちが強かったです。またイギリスの社会リアリズムの様な映像表現にはならないように撮影監督と話していました。

どちらかと言えばヨーロッパのアートハウスシネマのような雰囲気でいきたいと思っていました。

また外の寒さ、部屋の温かさ、その温度感や壊れそうな繊細さも作品の中で表現できたらと心に置いていましたから、撮影時期に関しては冬が良いとも決めていました。

その他では、現在を撮る場合は右アングルから、過去を撮る場合は左アングルと撮影位置のルール付けをして撮影をおこなっていました。

 

『追憶と、踊りながら』 記事内先方写真3 

NOSVIS)またこの作品では、アンドリュー・レオンという新たな才能が際立っていましたが、アンドリューと監督の出会い、監督から見た彼の魅力を教えてください。

 

ホン・カウ監督)きっかけはオーディションでの出会いでしたが、その時の彼がとにかく素晴らしかった。その後も2回程来てもらったのですが、やはり彼しかいないとカイ役を彼に決めました。

ベンと同じくアンドリューもとても繊細な感性と優しさ、温かさを持ち合わせており、これから大きく飛躍する可能性を持ち合わせた役者だと思います。今作でのベンとアンドリューの相性は、本当に最高でした。

 

 

『追憶と、踊りながら』 記事内先方写真4-2NOSVIS)監督にとって映像を撮る意味は?

また今後どのようなものを映像に込めたいと思っていますか?

 

ホン・カウ監督)自分自身子供の頃から映画監督になりたいと思っていたわけではなく、色々な事に興味を持ち、始めはカメラマンなどに興味を持ち、そこから演出家、物書きと常に興味を持つ物が変化していますが、今では自分の周りにあるイギリスではクローズアップされないアジア文化が組み込まれた作品を世に出していきたいと思っています。それが僕だから出来る事で、映像を撮る意味なのだと思います。

また僕のような移民という自分の国ではない異国で、自分の国の文化を知らずに生活する複雑なアイデンティティーを持つキャラクターに興味があり、是非そのような人物を映し取ってみたいと思っています。

 

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