伝説の艦船画家 上田毅八郎 × 株式会社タミヤ代表取締役会長 田宮俊作 インタビュー!!世代を超へ親しまれ続けるタミヤの魅力

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 原画が生きない印刷  Photo Gallery ▶

 

そうして出来上がったプラスチック模型。しかし模型店では、すべての模型が陳列されるわけではなく、もちろん消費者も箱の中のキットを見て完成図を明確にイメージするほど目が肥えているわけでもない。

 

そこで大きな役割を果たすのが箱絵なのだ。

箱絵は雑誌に出る劇画とは違い、ページをめくった時に驚くようなものではなく、中身を性格に示しつつ、決まった寸法の箱の中で迫力を出さなければならない。

しかし実際印刷してみると、どうも原画とは色が異なってしまうという問題が発生した。迫力を出そうと、戦艦の色や波や雲に拘っていたため、印刷では出せない色まで使ってしまっていたのだ。そんな当時のことを田宮氏はこう語る。

 

「上田さんは自由に色を使って描いていたんです。でも当時、模型の箱の印刷は4色から5色でしか刷れませんから、印刷を意識して色分解をしっかりとして描かなくてはならないということ、また描く紙にもこだわった方が良いという話を、当時東京芸大を卒業し、デザイナーをしていた私の弟(田宮督夫氏)が伝えたんです。今思うとよく聞き入れてくれたな、と思います。」

 

二人は、上田氏の塗装業が終わった後、何度も何度も試作をつくり戦艦の角度を決めた。作業中の会話はもっぱら、兵隊時代のことや、各国の軍艦の艦型の相違、海の色の違い、駆逐艦と戦艦の船首の波の切り方の違いに関することだった。上田氏は仕事が速いという。ラフ画をパパっとその場で描き、どちらが良いか俊作氏に尋ねるそうだ。日によっては、何枚もの下書きを、その場で描いて渡されたこともあったという。「私は、画家というより職人です。」と上田氏本人が言うのも納得ができる。

 

こうして出来上がったパッケージ画。

実際に戦場に行って見た上田氏が描くことにより、艦船だけでなく、波や雲まで迫力のあるリアルな絵に仕上がった。

「上田さんの絵は波がいいんですよ。本物を見て来た人だからこそ描ける絵だな、と思います。水平線のラインなんて素人には分からないですしね。間違いなく彼の艦船画は日本一だと思います。」と田宮氏も誇らしげに笑った。

 

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